小野太郎
防衛省は18日、沖縄県・石垣島(石垣市)の陸上自衛隊石垣駐屯地に弾薬を運び込んだ。16日に開設された石垣駐屯地のミサイル部隊が扱う12式地対艦誘導弾などが含まれているとみられる。政府は昨年末に12式地対艦誘導弾の射程を延ばし、敵基地攻撃能力(反撃能力)を担わせる方針を決定。防衛省は石垣島を含む南西諸島への運用部隊配置を検討しており、住民からは懸念の声が出ている。
この日は午前7時ごろに海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」が石垣港に入港。弾薬を積んだとみられる「火」のマークを付けた約15台の自衛隊車両などが船から港に降り、午前9時半ごろから公道を通り、駐屯地に向かった。港の近くでは、配備に反対する30人ほどが「ミサイルを持ってそのまま帰れ!」などと抗議の声を上げた。車両の移動を阻もうとした数人が警察官に排除された。
早朝から現場を訪れていた石垣市の弁護士、藤井光男さん(76)は「いよいよ危なくなる。ミサイルが搬入されれば、相手からの攻撃目標になるだろう」と語った。住民投票を通じて意思表示をしたいが、市長も議会も消極的だ。「本当にもどかしい。自分たちが関与できないところで、どんどん進んでしまう」
防衛省は22日に石垣市民対象の説明会を開く。4月2日には政府や地元関係者らが参加する開設記念式典が行われる予定だ。(小野太郎)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル